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あの人のうつわ fromage&food mikoto 今井真希さん(後編)

素敵な食卓をつくる人の、テーブル周りを見せていただく連載をはじめました。

今回は、神奈川県川崎市の武蔵新城でチーズ屋mikotoを営んでいた今井真希さんの、おもてなしの食卓やうつわ使いについて2回に分けてお届けします。

 

あの人のうつわ fromage&food mikoto 今井真希さん(前編)  集まりの日の献立や器使いについてご紹介しています。

 

後半は彼女の愛用品と、うつわとの付き合い方を教えてもらいました。

(集まりの後半で出してくれたチーズは石でできたチーズボードに。

 こんな風にさっと盛り付けられると素敵だよなあと、いつも思います。)


 

[愛用の器たち]


真希さんのハレの器は夫の亮輔さんのおばあさまから譲られた、美しい絵付けを施された器たち。

繊細な持ち手のティーカップや陶器のお重など、お正月のようなハレの日に使うとっておきなのだそう。


(重厚感のある箱に仕舞われていたお重と、華やかな絵付けの小皿。

 真希さんの優しいお料理が並ぶと、また素敵そうです。)


こういった、なかなか日常での出番がないハレの器たち、彼女はキャビネットにすっきりと並べて普段は装飾として楽しんでいるとのこと。


見た目は美しいけれど、普段使いには向かない器は、器そのものの美しさをインテリアとして楽しむことで日常に出番をつくるというのは、とても素敵なアイディア。

キャビネットはなくても、お花をいけて飾ってみたり、焼き菓子をのせてみたり、そんなアレンジなら気軽に取り入れられそうです。



ケの器はキッチンの作り付けのオープンシェルフに。

使い勝手の良さそうな和食器とともに、カラフルなエッグスタンドやエメラルドグリーンのプレートが並んでいました。どちらも真希さんの好みとは違うような気がして、どんな出会いだったのか聞いてみました。


(おいしいものを作るのが好きな今井家。食にまつわる道具がたくさんありました。

 グリーンのプレートとエッグスタンドは上段に。)


「どちらも海外のものでいただきもの。器が生まれた国や使われ方を想像したりして楽しんでるよ。

 うちにある他の和食器たちのアクセントとして使っているかな。」


真希さんはモノの選び方がすごく柔軟で、でもトーンの違うものを使うときはちゃんと自分のスタイルに馴染ませています。なるほどアクセントとして捉えていたのだなと納得しました。

違うトーンのものを織り交ぜて使うのは難しいけれど、アクセントとしてならそこまで難しくなさそう。

自分の好みのど真ん中でなくても、何か惹かれるモノ。手持ちと合わないからと諦めず、アクセントとして使ってみるのもいいかもしれません。テーブルに変化が出て、自分の世界を広げられそうです。


 

真希さんのインスタグラムを見ていて、印象深かった言葉があります。

『1年は同じことの繰り返しだということに幸せを感じます。』

同じことの繰り返しというと、すこしネガティブなイメージがありますが、彼女には、何度でも体験したいと思う出来事があふれているのだろうなと思います。


いつ話しても、穏やかな楽しいハレの日と小さな幸せのあるケの日がたくさん溢れていて、ハレもケも満喫している。


おいしい食材を調達して、すこし整えた食卓で友人を迎えたり、頂き物のお菓子をのせた器を置いて、テーブルの風景を変えたりすることなら、たまにできるかも。


彼女を見習って、柔らかい彩りのある日を増やせたらいいなと思います。


(数年前のイベント時のチーズたち。このときのテーマは朝・おやつ・夜に食べるチーズ。

 この頃から、彼女の提案は普段に食べるチーズだったんだな。)


 

今井真希さん

川崎市武蔵新城で営んでいたチーズ屋mikotoを21年9月に閉店。

北海道の洞爺湖そばの街 壮瞥(そうべつ)町に移り住み、

新しい店舗 ヨツカド商店を準備中。




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